駿心の小説置き場あれこれ

創作した物語を綴ったり、好きな作品を呟いたり(未定)

君の為に僕は

【創作小説】君の為に僕は【3話】

◇◇◇◇ 桜も散り切って、青く繁々となった学校の帰り道。 「フミノリくん」 後ろから声をかけられたとき、正直な話、ビビってしまって背筋を伸ばした。 振り返ると、控えめにフフッと笑っている九姫がいた。 「ツムギ……」 「久しぶり」 久しぶりも久しぶりだっ…

【創作小説】君の為に僕は【2話】

◇◇◇◇ 僕が進学した高校では学年の三分の一が同じ小学校、中学校の人間だった。 とても近くて成績も程々だから、皆そこへ進学したのだ。 スゴく頭のいい進学校か私立へ通う人間は、引っ越したり、2時間掛けて通学している。 田舎ではないといいつつ、進学先の…

【創作小説】君の為に僕は【1話】

『あそこの家の子には近付いちゃダメよ』 小学6年生の時に母親にそう言われた。 二十六木 九姫(とどろき つむぎ) 彼女が転校してきたのは隣りのクラスだった。 だけどココは都会から離れた地域で、閉鎖的な町で、田んぼなんて普通の住宅地だから田舎とは言え…