「……えん——」 花寿美は名前を呼びかけて、しかし途中で止めた。 花寿美の上に跨いでいるのは、腕。 大きな獣の腕。 燃えるような毛皮 いともたやすく裂くであろう爪。 順に視線を上げて、輪郭をなぞっていく。 しなやかな尾と弧を描く象牙。 全てを吸い込む…
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